2016/12/17
笑いと怒り
形の中に力があり、今の姿勢(形)があなたの氣分を生み出しています。
姿勢(形)を変えるだけで氣分は変わるのです。
前回の続きです。
『笑うも怒るも基本的には同じ』といのはどういうことなのか?
専門的な話をするのが目的ではないので、簡単に解りやすく書きますね。
心理学で『シャクターの情動二要因論』と呼ばれる考え方があります。
心理学では、「行動が先」か「感情が先」かという問題で
「泣くから悲しいのだ」のジェームズ=ランゲ説と、
「悲しいから泣くのだ」のキャノン=バード説がありました。
そこに三の説としてでてきたのがシャクターの『情動2要因理論』です。
社会心理学者のスタンレー・シャクターは、
「情動(感情)による興奮状態は、情動の種類(怒り、喜び、悲しみ)にかかわらず共通している。」という前提で、
「喜び」や「怒り」と言った人間の情動(感情)は、
『生理的反応』と『その反応をどのように認知するか(ラベル付け)』によって変わると考えました。
う~~ん、解った様で解らない?
もう少し解りやすくしますね。
私たちが喜怒哀楽などの『情動の種類』を自覚するのは、
①生理的反応(身体変化)を認知。
②その情動のラベル付け。
この二つが揃った時だという考え方です。
まだ専門用語が多くて解りにくい…?
まず
①で、今の生理的反応(身体変化)を認知します。(ドキドキ、ハラハラ、泣く、笑う、怒る等)
②で、身体がそんな状態になった原因を外的手がかりを元にして推測し、自分の情動(感情)を決めているのです。
これを『情動(感情)のラベル付け』と言います。
この場合の外的手掛かりというのは、周囲の環境・状況・他者の様子などであり、
私たちはそれを元にして、身体の反応が起こった後から…(ここがポイント!)…
今の情動がどのようなものかを決めているということなのです。
つまり、身体の反応(行動)が先に起きているんですよね。
有名な「吊り橋効果」実験があります。
吊り橋を渡った時の恐怖的ドキドキ感(生理的興奮)を、
異性から声を掛けられた恋愛的ドキドキ感と捉えていたという実験です。
恐怖心が認知(感情のラベル付け)次第で恋愛に変わったんですよ!
凄いですね~。
身近なところでは怒鳴る上司に恋愛感情を抱いたことはないですか?
怒られているドキドキ感を、上司への愛情だと捉えてしまうのです。
話を戻しましょう。
何が言いたいのかというと、
私たちは自分の感情の理由を本当はよく解っていないかもしれないということです。
「否、そんなことはない。腹が立つ理由があるから怒っているのよ。」
「好きな人と一緒にいるから笑顔になれるのよ。」と思っている方も多いでしょう。
でも、もしかするとそう思い込んでいるだけかもしれませんよ。
何故なら私たちは子供の頃から、
楽しい時は笑う、
悲しい時は泣く、
腹が立った時は怒る、という風に刷り込まれてきてるからです。
しかし、ここでは書きませんが、いろんな心理学実験の結果、
私たちの感情の認知はかなり曖昧であることが解っています。
それならば、もし今あなたが怒りやイライラを感じていたとしても、
それは自分で怒りの感情ラベル付けをしているだけかもしれません。
そしてそれは別の感情…笑いの感情ラベルに付け替えることができるということです。
そのための行動が、
「馬鹿やろーー!!」と叫ぶ代わりに
「ハッハッハッハ」と笑うということなのです。
とはいうものの…
」日常生活では逆の様に感じますよね~(笑)
先に感情が起こって、その感情が私たちを動かすのだろうと思えて仕方ないです。
もちろん、私達の情動のすべてがこの『情動のラベル付け』によって意識化されるわけではありません。
しかし、急に湧き起こる反射的な感情の場合には、『シャクターの情動二要因論』の考え方の方が
主流になっている様です。
試してみる価値はありますよ!
これでもまだ、
「腹が立っている時に、何故面白くもないのに笑わなきゃいけないのよ!」と
更に怒らせてしまいそうですが、
でも、笑いって面白い時だけのものですか?
面白い時以外には笑いませんか?
次回はそのことについて書きます。
今日も最後読んでくださりありがとうございました。
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